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理論
Auto Scaling と起動遅延の最適化
AWS Auto Scaling は、アプリケーションのトラフィックや負荷に基づいてインスタンスを動的にスケールできます。ただし、新しいインスタンスが起動される際の遅延は、ユーザー体験に影響を与えることがあります。以下に、遅延を最小限に抑えるための主要なアプローチをまとめます。
1. ウォームプール (Warm Pool) の活用
- ウォームプールを設定することで、事前に準備された「ウォーム状態」のインスタンスを保持できます。
- 需要が増加した際に、これらのインスタンスを即時に使用可能な状態に切り替えられるため、起動時間を大幅に削減できます。
2. ライフサイクルフック (Lifecycle Hook)
- インスタンスの起動プロセス中に、ユーザーデータスクリプトやカスタムパッケージのインストールを完了させる時間を確保します。
- アプリケーションの初期化が完了するまで、インスタンスをアクティブな状態にしないよう制御できます。
3. スケーリングポリシーの選択
- 動的スケーリング: リアルタイムの負荷に応じてインスタンスを追加。即時性が高い。
- 予測スケーリング: 過去のパフォーマンスデータを元に、需要を事前に予測してスケールアウト。需要が予測可能な場合に有効。
4. ユーザーデータスクリプトの最適化
- インスタンス起動中に必要な初期設定やパッケージインストールを自動化します。
- 再利用可能な AMI (Amazon Machine Image) を使用してインスタンス作成時間を短縮することも有効です。
ポイント
- ウォームプールを使うことでインスタンス起動遅延を最小化。
- ライフサイクルフックを組み合わせて、初期化の完了を保証。
- スケーリングポリシーはシナリオに応じて動的または予測を選択。
適切な組み合わせにより、アプリケーションのパフォーマンスとユーザー体験を向上させることができます。
実践
略
一問道場
問題 #501
ある会社は、単一の Amazon EC2 インスタンスで Web アプリケーションを運営しています。ピーク時に CPU 使用率が常に 95% を超えており、エンドユーザーはアプリケーションのパフォーマンスが遅くなることを経験しています。ユーザーデータスクリプトは、EC2 インスタンスに必要なカスタムパッケージをインストールしますが、インスタンスの起動には数分かかります。
会社は、複数のインスタンスタイプ(CPU の異なるインスタンス)を使用する Auto Scaling グループを作成しており、最大容量制限も設定されています。この Auto Scaling グループは、さまざまな設定オプションのために起動テンプレートを使用します。会社は、Auto Scaling 中に新しいインスタンスが起動される際のアプリケーションの遅延を減らす必要があります。
どの解決策がこの要件を満たしますか?
A. 予測スケーリングポリシーを使用し、インスタンスメンテナンスポリシーを使用してユーザーデータスクリプトを実行します。デフォルトのインスタンスウォームアップ時間を 0 秒に設定します。
B. 動的スケーリングポリシーを使用し、ライフサイクルフックを使用してユーザーデータスクリプトを実行します。デフォルトのインスタンスウォームアップ時間を 0 秒に設定します。
C. 予測スケーリングポリシーを使用し、Auto Scaling グループでウォームプールを有効にします。インスタンスメンテナンスポリシーを使用してユーザーデータスクリプトを実行します。
D. 動的スケーリングポリシーを使用し、Auto Scaling グループでウォームプールを有効にします。ライフサイクルフックを使用してユーザーデータスクリプトを実行します。
解説
この問題のシナリオでは、Web アプリケーションが単一の EC2 インスタンスで実行されており、ピーク時に CPU 使用率が 95% を超えるため、パフォーマンスの低下が発生しています。会社は Auto Scaling グループを使用して負荷を分散させ、ユーザーの体験を改善しようとしていますが、以下の課題に直面しています。
課題のポイント
- インスタンス起動の遅延
- 新しいインスタンスが起動するまでに数分かかる。
- ユーザーデータスクリプトによる初期化も時間を要するため、エンドユーザーが遅延を感じる。
- CPU 使用率の高負荷
- 現在の負荷に対応できるインスタンスを素早く用意する必要がある。
解決策の考え方
解決策は、新しいインスタンスが迅速に利用可能になるよう、インスタンスの準備時間を短縮する仕組みを導入することです。この要件に基づき、以下の技術的アプローチを考慮します。
1. ウォームプールの使用
- ウォームプールでは、あらかじめ起動されたインスタンスを「ウォーム状態」で待機させておくことができます。
- インスタンスがリクエストされると、ウォーム状態から即座にアクティブに切り替わるため、起動遅延が大幅に減少します。
2. ライフサイクルフックの活用
- ライフサイクルフックを使うと、起動プロセス中にカスタムタスク(例: パッケージインストール)を実行する時間を確保できます。
- ユーザーデータスクリプトの実行が完了してからインスタンスをサービスに投入できるため、未準備のインスタンスが稼働するリスクを防ぎます。
3. 動的スケーリングの採用
- CPU 使用率などのリアルタイムメトリクスを基にインスタンスをスケールアウトする動的スケーリングは、急激な負荷変化への即応性に優れています。
- 将来の負荷を予測する「予測スケーリング」よりも、現在の課題には適しています。
選択肢の解説
A. 予測スケーリングとインスタンスメンテナンスポリシー
- 予測スケーリングは需要を予測して事前にスケールアウトしますが、このシナリオでは遅延が既に発生しているため、適切ではありません。
- インスタンスメンテナンスポリシーは、ユーザーデータスクリプトの実行タイミングを制御しますが、遅延解消には十分でない。
B. 動的スケーリングとライフサイクルフック
- 動的スケーリングは負荷変化に応じますが、新しいインスタンスの準備に時間がかかるため、遅延を完全に防ぐには不十分です。
C. 予測スケーリングとウォームプール
- ウォームプールによりインスタンス起動遅延は減少しますが、予測スケーリングは現在の負荷増加への即時対応には不適です。
D. 動的スケーリングとウォームプール、ライフサイクルフック
- 正解。ウォームプールで即時対応を可能にし、ライフサイクルフックでカスタムタスクを実行、動的スケーリングで負荷に応じたスケールアウトを行います。この組み合わせが最も効率的です。
まとめ
正解は D です。この解決策は、インスタンス起動遅延を最小限に抑え、動的スケーリングによる負荷変化への即応性を提供する最適な構成です。
- 作者:みなみ
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