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理論
API Gateway とコスト管理のベストプラクティス
AWS API Gatewayは、Web APIの作成と管理を簡素化するための強力なサービスです。API Gatewayは、Lambda関数やその他のAWSサービスと連携し、さまざまなアプリケーションのバックエンドを効率的に管理することができます。しかし、APIのトラフィックが急増した場合のコスト管理が重要です。以下では、API Gatewayのコスト管理と最適化のための主要なベストプラクティスを解説します。
1. 使用プランとスロットリング制限
API Gatewayでは、使用プラン(Usage Plan)とスロットリング制限(Throttling Limit)を設定することで、APIのトラフィックを管理できます。この機能を活用することで、以下のことが可能になります。
- レート制限: APIへのリクエスト数を時間単位で制限することで、過剰なトラフィックを防ぎます。例えば、秒間で受け付ける最大リクエスト数を設定することができます。
- クォータ制限: 使用プランで、APIを通じてどれくらいのデータを消費できるかの上限を設定することができます。これにより、特定の期間内におけるAPIの消費を制限し、過剰なコストが発生するのを防ぎます。
このアプローチは、APIを提供する側がトラフィックを制御し、過剰なリクエストや予期しない利用の増加を防ぐために効果的です。
2. API キーとアクセス制限
API Gatewayでは、API キーを利用して特定の開発者やユーザーにAPIアクセスを許可することができます。APIキーを作成し、それに対する使用プランを定義することで、個別の開発者グループやサービスのリクエストを制御することが可能です。
- アクセス制御: APIキーを使うことで、特定のユーザーやクライアントに対してアクセスを許可し、その使用状況を監視することができます。
- 課金とモニタリング: API Gatewayでは、APIキーごとの使用状況をトラッキングできます。これにより、どのユーザーがどれだけのリソースを消費しているのかを把握しやすくなります。
3. API Gateway と Lambda 関数のスケーリング
API Gatewayは、トラフィックが増加した場合にLambda関数を自動的に呼び出して処理を行います。Lambda関数は、スケーリングに関して非常に柔軟であり、トラフィック量に応じて自動的にスケールします。しかし、トラフィック急増時にリソースの消費が過剰になる可能性があるため、Lambda関数のスケーリングを適切に設定することが重要です。
- プロビジョニングされた同時実行数: AWS Lambdaでプロビジョニングされた同時実行数を設定することで、リクエストの増加に対して事前にリソースを確保できます。これにより、急激なトラフィックの増加にも対応可能ですが、事前に容量を確保している分、必要以上にリソースを消費してしまう可能性もあります。
- オンデマンドのスケーリング: オンデマンドスケーリングでは、Lambda関数が実際に呼び出されたときに必要なリソースが確保されます。この方法はコスト効率が高いですが、急なトラフィックの増加時に遅延が生じる可能性もあります。
4. モニタリングとアラートの設定
API Gatewayのトラフィックを効率的に管理するためには、モニタリングとアラート設定が欠かせません。AWS CloudWatchを使ってAPI GatewayやLambdaのメトリクスをモニタリングし、特定の閾値を超えた場合にアラートを発動するように設定することができます。
- メトリクスの監視: API Gatewayのリクエスト数、エラー率、Lambda関数の実行時間など、重要なメトリクスを監視します。
- アラートの設定: APIの利用が急激に増加した場合にアラートを送信する設定を行い、コスト増加の兆候に早期に対応することができます。
結論
API Gatewayを使用しているシステムでは、使用プランとスロットリング制限を設定することが最も効果的なコスト管理方法となります。これにより、トラフィックの急増を抑制し、コストの最適化を図ることができます。また、APIキーを利用してアクセス制限を行い、個別に使用状況をモニタリングすることも重要です。
実践
略
一問道場
問題 #506
ある会社は、Amazon API Gateway API を作成し、外部の開発チームと API を共有しています。この API は AWS Lambda 関数を使用しており、「Production」という名前のステージにデプロイされています。外部開発チームは API の唯一の消費者です。この API は特定の時間に急激に使用量が増加し、コストの増加について懸念があります。会社は、Lambda 関数を再作成することなく、コストと使用量を制限する必要があります。
どの解決策が最もコスト効果が高いですか?
A. API を Amazon Simple Queue Service (Amazon SQS) キューにリクエストを送信するように設定します。その後、Lambda 関数を更新してキューからメッセージを消費し、リクエストを処理します。新しいメッセージが到着すると、キューが Lambda 関数を呼び出すように設定します。
B. 各 Lambda 関数に対してプロビジョニングされた同時実行数を設定します。AWS Application Auto Scaling を使用して、Lambda 関数をターゲットとして登録します。スケーリングスケジュールを設定して、API の使用状況に合わせて容量を増減させます。
C. API Gateway API キーを作成し、AWS WAF Regional Web ACL を作成します。Web ACL を Production ステージに関連付けます。Web ACL にレートベースのルールを追加します。このルールで、レート制限と X-API-Key ヘッダーを使用したカスタムリクエスト集約を指定します。API キーを外部の開発チームと共有します。
D. API Gateway API キーと使用プランを作成します。使用プランでスロットリング制限とクォータを定義します。使用プランを Production ステージと API キーに関連付けます。API キーを外部の開発チームと共有します。
解説
この問題では、API Gateway と Lambda 関数を使用しているシステムで、外部の開発チームに対する API の使用制限とコストの最適化が求められています。具体的には、Lambda 関数の再設計なしで、API の使用を効率的に管理し、コストを抑える方法を見つける必要があります。
以下は各選択肢の詳細な解説です。
A. SQS キューを使用する方法
- 内容: API Gateway がリクエストを SQS キューに送信し、Lambda 関数はそのキューからメッセージを処理します。
- 問題点: この方法は、リクエストをキューに入れてから Lambda 関数で処理するため、キューから Lambda 関数を呼び出す設定が必要です。これにより、レイテンシーが増加し、Lambda 関数の呼び出し回数を最適化することが難しくなります。また、SQS は即時処理を行いたい API に対しては不適切であり、コスト効果も低くなります。
- 結論: この方法は最適ではなく、コスト効果を最大化するためには他の方法が望ましいです。
B. プロビジョニングされた同時実行数と自動スケーリング
- 内容: Lambda 関数にプロビジョニングされた同時実行数を設定し、API のトラフィックに合わせてスケーリングを管理します。
- 問題点: プロビジョニングされた同時実行数は、事前に指定した数の同時実行を確保するため、ピーク時に容量を増やすことはできますが、API の需要が予測できない場合、無駄にリソースを消費する可能性があります。コストを抑えるためには、使用率に応じて動的にスケールする方が適切です。
- 結論: この方法は、予測可能なトラフィックの場合には有効ですが、急激なトラフィックの変動には適していません。
C. WAF と API キーを使用した制限
- 内容: API キーを作成し、WAF (Web Application Firewall) を使用して、API へのリクエストのレート制限を設定します。この方法は、API キーを外部の開発チームと共有し、アクセスを制限することで、過剰なリクエストを防ぐことができます。
- 問題点: WAF でレート制限を設定することは、API の使用量を制限するために有効ですが、API のトラフィックを管理する手段としては柔軟性が低いです。これだけではコスト削減の要件を満たすのに十分ではない可能性があります。
- 結論: 直接的に API の使用を制限できますが、Lambda 関数の実行回数を最適化する方法としては不十分です。
D. 使用プランとスロットリング制限の設定
- 内容: API Gateway で API キーを作成し、使用プランを設定してスロットリング制限(リクエストの最大数)やクォータ(使用量の制限)を定義します。これにより、API の使用を制限し、コストを管理できます。
- 利点: 使用プランとスロットリング制限を設定することで、API のトラフィックを制御でき、外部開発チームによる過剰なリクエストを防げます。これにより、予期しないトラフィックの急増に対してもコストを抑制できます。
- 結論: 最もコスト効果が高い方法です。API 使用量を制限し、開発チームに明確な制限を設けることができるため、コストとパフォーマンスのバランスが取れています。
結論
最もコスト効果が高いのは D の「使用プランとスロットリング制限の設定」です。この方法は、API のトラフィックを効率的に管理し、過剰な使用を防ぎ、予期しないコストの増加を抑えることができます。また、Lambda 関数の再設計や大規模なインフラストラクチャの変更を避けることができ、運用負荷も最小限に抑えられます。
- 作者:みなみ
- 链接:https://tangly1024.com/資格勉強/17dd7ae8-88e2-80a1-990d-d7fbde0bfb53
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