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理論
災害復旧(Disaster Recovery)におけるRPOとRTO
RPO(Recovery Point Objective)
- データ損失を許容できる最大時間。
- RPOが短い(数分以下)の場合、ほぼリアルタイムのデータ同期が必要。リードレプリカやデータレプリケーションを使用するのが一般的。
RTO(Recovery Time Objective)
- システム復旧までの許容時間。
- 短いRTO(数分〜10分未満)を達成するには、フェイルオーバーの自動化や迅速な昇格プロセスが重要。
AWSにおける災害復旧ソリューションの選択肢
- クロスリージョンリードレプリカ
- 概要: Amazon RDSで、別のリージョンにデータをリアルタイムでレプリケーションする機能。
- 特徴:
- データがリアルタイムで同期されるため、RPOが短い。
- フェイルオーバー時にリードレプリカをプライマリに昇格することで、RTOも短い。
- Auroraよりもコストが低い。
- 適用ケース: 高速復旧が必要でコストを抑えたい場合。
- Amazon Aurora Global Database
- 概要: Auroraのデータベースを複数のリージョンに配置して、低レイテンシでデータを同期。
- 特徴:
- RPOは1秒未満、RTOは1分未満。
- 高性能だが、コストが高い。
- 適用ケース: 高速性と耐障害性が最優先の場合。
- AWS DMS(Database Migration Service)
- 概要: データベース間のデータ移行や継続的なレプリケーションを提供。
- 特徴:
- 手動での設定が必要で運用コストが高い。
- リアルタイム性が求められる場合には適さない。
- 適用ケース: 災害復旧よりデータ移行が主目的の場合。
- スナップショットバックアップ
- 概要: データベースのスナップショットを取得して別のリージョンにコピー。
- 特徴:
- 復元には時間がかかり、RTOが長い。
- コストは安いが、リアルタイム性が必要な場面には不向き。
- 適用ケース: 長期間保存や低コストが求められる場合。
選択基準
- RPO/RTOが短い場合: クロスリージョンリードレプリカやAurora Global Databaseが適切。
- コストを抑えたい場合: クロスリージョンリードレプリカがベストバランス。
- 長期間保存が目的の場合: スナップショットバックアップが有効。
AWSを使った災害復旧設計では、要件に応じて適切なソリューションを選ぶことが重要です。
実践
略
一問道場
質問 #390
ある企業が、RPO(復旧目標時点)が5分未満、RTO(復旧目標時間)が10分未満の要件を持つアプリケーションの設計段階にあります。ソリューションアーキテクチャチームは、データベースに約10 TBのデータが格納されると予測しています。この設計の一環として、セカンダリリージョンにフェイルオーバーする能力を持つデータベースソリューションを求めています。
どのソリューションが最低コストでこれらのビジネス要件を満たしますか?
選択肢
A. Amazon Aurora DB クラスターをデプロイし、クラスターのスナップショットを5分ごとに取得します。スナップショットが完了するたびに、それをセカンダリリージョンにコピーして、障害時のバックアップとして使用します。
B. Amazon RDS インスタンスをデプロイし、セカンダリリージョンにクロスリージョンのリードレプリカを作成します。障害発生時には、リードレプリカをプライマリに昇格させます。
C. Amazon Aurora DB クラスターをプライマリリージョンに、さらにセカンダリリージョンにもデプロイします。AWS DMS を使用して、セカンダリリージョンを同期状態に保ちます。
D. 同じリージョン内に Amazon RDS インスタンスとリードレプリカをデプロイします。障害発生時には、リードレプリカをプライマリに昇格させます。
解説
この問題では、以下の要件を満たすデータベースソリューションを選択する必要があります:
- RPO(復旧目標時点)5分未満
データ損失を最小限に抑えるため、データが5分以上遅延することなく同期される必要があります。
- RTO(復旧目標時間)10分未満
障害発生後、10分以内にサービスが復旧する必要があります。
- コスト効率
最低コストでこれらの要件を満たすソリューションを選ぶ必要があります。
各選択肢の解説
A. Amazon Aurora DB クラスターをデプロイし、スナップショットを5分ごとに取得してセカンダリリージョンにコピー
- スナップショットはRPOを確保する手段としては効果的ですが、RTO(10分以内に復旧)を満たすには適していません。スナップショットから復元するには時間がかかり、コストも高くなります。→ 不適切
B. Amazon RDS インスタンスをデプロイし、セカンダリリージョンにクロスリージョンのリードレプリカを作成
- リードレプリカは自動的にデータを複製し、フェイルオーバー時にプライマリとして昇格させることが可能です。
- クロスリージョンリードレプリカは、RPO(ほぼリアルタイム)とRTO(10分以内)の要件を満たします。また、Auroraよりもコストが低いです。→ 適切(最低コストで要件を満たす)
C. Amazon Aurora DB クラスターを2つのリージョンにデプロイし、AWS DMS で同期
- Auroraは高性能ですが、AWS DMSを使った手動同期は設定が複雑で、コストが高くなります。また、RPOとRTOを確実に満たす保証がありません。→ 不適切
D. 同じリージョン内に Amazon RDS インスタンスとリードレプリカをデプロイ
- 同じリージョン内のリードレプリカは、クロスリージョンでの災害対策が必要な場合には適していません。セカンダリリージョンへのフェイルオーバーはできないため、要件を満たしません。→ 不適切
正解
B. Amazon RDS インスタンスをデプロイし、セカンダリリージョンにクロスリージョンのリードレプリカを作成
この選択肢は、RPOとRTOの両方の要件を満たしつつ、コスト効率が最も高いソリューションです。
- 作者:みなみ
- 链接:https://tangly1024.com/資格勉強/179d7ae8-88e2-80ef-b81b-c1b42947336b
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