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理論
NATゲートウェイとオンプレミス通信の設計ポイント
AWS環境からオンプレミス環境への通信を設計する際に考慮すべき重要なポイントを以下にまとめます。
1. NATゲートウェイの役割
- プライベートサブネットの通信をインターネットやオンプレミスへ中継 NATゲートウェイは、プライベートサブネット内のリソースが外部(インターネットやオンプレミスシステム)と通信する際に使用されます。NATゲートウェイを通じて通信する場合、Elastic IPを割り当てることで固定IPが保証されます。
2. Elastic IPの活用
- オンプレミス側のファイアウォール要件 多くの場合、オンプレミスシステムは特定の送信元IPアドレス(Elastic IP)からの通信のみを許可します。このため、NATゲートウェイや他の中継リソースにElastic IPを割り当てる必要があります。
3. 高可用性の考慮
- 単一障害点の排除
- NATゲートウェイはデフォルトで1つのAZ内で動作します。そのため、1つのNATゲートウェイに依存すると、障害時に通信が停止するリスクがあります。
- 冗長性を持たせるためには、複数のAZにNATゲートウェイを配置し、障害時に自動で切り替える仕組みを設計する必要があります。
4. 自動復旧の重要性
- CloudWatchとLambdaによる監視と復旧
- NATゲートウェイや他のリソースのヘルスチェックをAmazon CloudWatchで監視します。
- 障害が検知された場合、AWS Lambdaをトリガーして新しいNATゲートウェイを作成し、Elastic IPを再割り当てすることで通信を復旧させることが可能です。
5. コスト効率の向上
- 最小限のNATゲートウェイ利用 複数AZで冗長性を持たせる場合、コストが増加するため、単一のNATゲートウェイを採用しつつ自動復旧を設計することでコストを抑える選択肢も有効です。
まとめ
AWSでのオンプレミス通信を設計する際のポイントは以下です:
- NATゲートウェイを使用してプライベートサブネットから通信を中継
- Elastic IPを活用して固定IPを保証
- CloudWatchとLambdaを利用した自動復旧を設計
- 冗長性とコスト効率のバランスを最適化
これらを考慮した設計が、信頼性の高いオンプレミス通信を実現します。
実践
略
一問道場
質問 #264
トピック 1
ある企業がレガシーアプリケーションをAWSクラウドに移行しました。このアプリケーションは、3つのAmazon EC2インスタンス上で稼働しており、それらは3つのアベイラビリティゾーンに分散されています。各アベイラビリティゾーンに1つのEC2インスタンスが存在します。これらのEC2インスタンスは、VPCの3つのプライベートサブネットで動作しており、3つのパブリックサブネットに関連付けられたApplication Load Balancer (ALB)のターゲットとして設定されています。
このアプリケーションは、オンプレミスのシステムと通信する必要があります。オンプレミスのシステムにアクセスできるのは、企業のIPアドレス範囲内のIPアドレスからのトラフィックに限定されています。企業のセキュリティチームは、内部のIPアドレス範囲からクラウドに1つのIPアドレスのみを持ち込んでいます。このIPアドレスは、企業のファイアウォールの許可リストに追加されています。また、このIPアドレス用にElastic IPアドレスを作成しています。
ソリューションアーキテクトは、アプリケーションがオンプレミスのシステムと通信できるソリューションを作成する必要があります。このソリューションは、障害が発生した場合に自動で復旧する能力も備えている必要があります。
どのソリューションがこれらの要件を満たしますか?
A.
各パブリックサブネットに1つずつ、合計3つのNATゲートウェイをデプロイします。Elastic IPアドレスをNATゲートウェイに割り当てます。NATゲートウェイのヘルスチェックを有効にします。NATゲートウェイがヘルスチェックに失敗した場合、新しいNATゲートウェイを再作成し、Elastic IPアドレスを新しいNATゲートウェイに割り当てます。
B.
ALBをNetwork Load Balancer (NLB)に置き換えます。Elastic IPアドレスをNLBに割り当てます。NLBのヘルスチェックを有効にします。ヘルスチェックが失敗した場合、別のサブネットにNLBを再デプロイします。
C.
1つのNATゲートウェイをパブリックサブネットにデプロイします。Elastic IPアドレスをNATゲートウェイに割り当てます。Amazon CloudWatchを使用してカスタムメトリクスでNATゲートウェイを監視します。NATゲートウェイが正常でない場合、AWS Lambda関数を呼び出して別のサブネットに新しいNATゲートウェイを作成し、Elastic IPアドレスを新しいNATゲートウェイに割り当てます。
D.
Elastic IPアドレスをALBに割り当てます。Elastic IPアドレスを値とするAmazon Route 53のシンプルレコードを作成します。Route 53のヘルスチェックを作成します。ヘルスチェックが失敗した場合、別のサブネットでALBを再作成します。
解説
この問題は、AWS上のアプリケーションからオンプレミスシステムへの通信を設計するために、適切なソリューションを選択する内容です。以下に解説します。
問題の要件
- オンプレミスとの通信が必要
- 通信は、会社の内部IPアドレス範囲内からのみに制限されており、特定のElastic IPアドレスを使用する必要があります。
- 高可用性が求められる
- 通信が中断しないように、障害時の自動復旧機能が必要です。
- 現在の構成
- プライベートサブネット内のEC2インスタンスがオンプレミスシステムと通信。
- Elastic IPアドレスを使用して通信を許可。
選択肢の検討
A. 3つのNATゲートウェイをデプロイし、Elastic IPを割り当てる
- メリット: 各アベイラビリティゾーン(AZ)にNATゲートウェイを配置することで、高可用性を確保できます。
- デメリット: NATゲートウェイは各AZで独立して動作するため、Elastic IPを共有する仕組みがありません。この設計では、障害が発生した際にElastic IPの再割り当てが適切に行われないため、要件を満たしません。
B. ALBをNLBに置き換え、Elastic IPを割り当てる
- メリット: NLBはElastic IPを直接割り当てることが可能です。オンプレミスシステムとのIP固定要件を満たします。
- デメリット: NLBはヘルスチェック機能を持つものの、AZ間での自動復旧やElastic IPの再利用に関しては、明確な冗長性がありません。また、ロードバランサーの目的が異なるため、不適切です。
C. 単一のNATゲートウェイとLambdaによる自動復旧
- メリット:
- Elastic IPを単一のNATゲートウェイに割り当てるため、オンプレミス通信要件を満たします。
- CloudWatchでヘルスチェックを監視し、障害時にLambdaを使用して新しいNATゲートウェイを作成し、Elastic IPを再割り当てすることで、自動復旧を実現します。
- コスト効率が高い。
- デメリット: 単一のNATゲートウェイに依存するため、完全な高可用性ではありません。ただし、コストを優先する場合は合理的な選択肢です。
D. ALBにElastic IPを割り当て、Route 53を使用
- メリット: Route 53のヘルスチェックで、障害時にALBのリソースを再作成できます。
- デメリット: ALB自体はElastic IPを直接割り当てることができないため、この選択肢は技術的に実現不可能です。
正解: C. 単一のNATゲートウェイとLambdaによる自動復旧
この選択肢は以下の理由で要件を満たします:
- Elastic IPを割り当ててオンプレミス通信を確保。
- CloudWatchとLambdaを使用して障害時の自動復旧を実現。
- コストを最小限に抑える。
設計の補足
- 高可用性をさらに向上させるには、複数のNATゲートウェイを異なるAZにデプロイし、Route 53やLambdaでトラフィックの切り替えを管理する方法も検討できます。
- ビジネス要件とコストを慎重にバランスさせることが重要です。
- 作者:みなみ
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