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理論

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Amazon S3 のクロスリージョンレプリケーション (CRR) とマルチリージョンアクセスポイント

クラウドアーキテクチャを設計する際、データの可用性、耐障害性、低レイテンシを確保するために、複数のAWSリージョンにデータを分散させることは重要な戦略です。この記事では、Amazon S3 を利用して複数リージョンにまたがるデータ同期を効率的に行うための本質的な知識を解説します。

1. Amazon S3 のクロスリージョンレプリケーション (CRR)

CRR の概要

クロスリージョンレプリケーション (CRR) は、1つの Amazon S3 バケットにアップロードされたオブジェクトを別のリージョンにある別の S3 バケットに自動的にコピーする機能です。これにより、データが地理的に離れたリージョンに複製され、障害耐性が向上します。

CRR を使用するメリット

  • データの耐障害性: リージョン障害が発生した場合でも、別のリージョンでデータにアクセス可能。
  • 規制遵守: 地域ごとのデータ保存要件に対応可能。
  • 低レイテンシ: ユーザーの地理的な場所に近いリージョンからデータを提供。

設定要件

  1. S3 バージョニングを有効化: CRR を設定するすべてのバケットで必要です。
  1. 適切な IAM ポリシー: レプリケーション操作を許可するために IAM ロールを設定します。
  1. レプリケーションルール: 特定のプレフィックスやタグを使用して同期するデータを制御可能。

CRR の限界

  • 一方向レプリケーション: デフォルトでは一方向のデータコピーに対応。双方向レプリケーションを設定するには複数のルールが必要です。
  • リアルタイム性の限界: レプリケーションにはわずかな遅延が発生することがあります。

2. S3 マルチリージョンアクセスポイント

概要

マルチリージョンアクセスポイントは、複数のリージョンに存在する S3 バケットへのアクセスを統合し、1つのエンドポイントを通じてデータを利用可能にする機能です。AWS Global Accelerator を活用して、最適なリージョンに自動的にルーティングされます。

利点

  • 簡易化されたアクセス: アプリケーションは複数のリージョンに対応するロジックを実装する必要がありません。
  • 低レイテンシ: ユーザーの場所に応じて最適なリージョンにリクエストがルーティングされるため、応答速度が向上します。
  • 高可用性: 複数のリージョンでデータを保持することで、障害に強い設計が可能。

主なユースケース

  • グローバルなアプリケーション: ユーザーが複数の地域からアクセスするアプリケーションに最適。
  • マルチリージョンのデータ同期: 複数のバケット間のデータ同期を簡略化。

3. 実装におけるベストプラクティス

1. バージョニングの活用

S3 バージョニングを有効にすると、オブジェクトの変更履歴が保持され、誤操作やデータの損失を防ぐことができます。CRR を設定する際には必須の要件です。

2. レプリケーション監査

CRR の設定後、レプリケーションステータスを監視することで、エラーや未レプリケートのオブジェクトを特定できます。

3. Lambda とイベント通知の活用

CRR だけではなく、Lambda 関数を使用して特定のイベントに応じたカスタム同期ロジックを構築することも可能です。ただし、運用負荷が増加する可能性があるため、要件に応じて選択するべきです。

4. コストの考慮

CRR やマルチリージョンアクセスポイントには、データ転送やストレージの追加コストが発生します。要件を満たしつつ、コストを最小化する設定を心がけましょう。

4. まとめ

複数のAWSリージョンにデータを同期する際の選択肢として、クロスリージョンレプリケーション (CRR)マルチリージョンアクセスポイント はそれぞれ異なる特徴と利点を持っています。
  • 運用負荷を抑えつつ同期を自動化したい場合: CRR を活用。
  • 複数リージョンでのデータアクセスを簡略化したい場合: マルチリージョンアクセスポイントを活用。
運用要件とシステム要件に応じて、これらの機能を適切に組み合わせることで、効率的で信頼性の高いクラウドアーキテクチャを構築することが可能です。

実践

一問道場

質問 #186
トピック 1
ソリューションアーキテクトは、Amazon S3 バケットにオブジェクトを保存するアプリケーションを作成しています。このソリューションアーキテクトは、同時に使用される 2 つの AWS リージョンにアプリケーションをデプロイする必要があります。2 つの S3 バケットに保存されるオブジェクトは、お互いに同期された状態を保つ必要があります。
運用負荷を最小限に抑えつつ、これらの要件を満たすために必要な手順の組み合わせはどれですか?(3 つ選択してください。)
A. S3 マルチリージョンアクセスポイントを作成する。アプリケーションを変更して、マルチリージョンアクセスポイントを参照するようにする。
B. 2 つの S3 バケット間で双方向の S3 クロスリージョンレプリケーション (CRR) を設定する。
C. アプリケーションを変更して、各 S3 バケットにオブジェクトを保存するようにする。
D. 各 S3 バケットに S3 ライフサイクルルールを作成し、片方の S3 バケットからもう片方の S3 バケットにオブジェクトをコピーする。
E. 各 S3 バケットで S3 バージョニングを有効にする。
F. 各 S3 バケットにイベント通知を設定して、1 つの S3 バケットからもう片方の S3 バケットにオブジェクトをコピーする AWS Lambda 関数を呼び出すようにする。

解説

この問題では、2つのAWSリージョンにデプロイされたアプリケーションが、2つのS3バケット間でオブジェクトを同期させる必要があるという要件を、最小限の運用負荷で満たす方法を問われています。それぞれの選択肢を検討し、適切な解決策を選びます。

A. S3 マルチリージョンアクセスポイントを作成する

  • 説明: S3 マルチリージョンアクセスポイントを使用すると、複数のリージョンにまたがるバケットにアクセスを集約できます。これにより、アプリケーション側の複雑な設定を削減でき、運用負荷が低減します。
  • 有効性: 適切な解決策です。これにより、アプリケーションはシンプルにバケットを利用できるようになります。

B. 双方向の S3 クロスリージョンレプリケーション (CRR) を設定する

  • 説明: CRR は、S3 バケット間でオブジェクトを自動的にレプリケーションします。双方向レプリケーションを設定することで、どちらのバケットに書き込んだデータも自動的に同期されます。
  • 有効性: 適切な解決策です。CRR は、同期の自動化を提供し、運用負荷を低減します。

C. アプリケーションを変更して、各 S3 バケットにオブジェクトを保存するようにする

  • 説明: アプリケーションが直接両方のバケットにデータを書き込むように変更する手法です。
  • 有効性: 不適切です。アプリケーションのコード変更が必要であり、運用負荷が増加します。

D. S3 ライフサイクルルールを使用してバケット間でオブジェクトをコピーする

  • 説明: ライフサイクルルールは、バケット間でオブジェクトをコピーするように設定できます。ただし、これはレプリケーションではなく、タイムラグが生じます。
  • 有効性: 不適切です。同期がリアルタイムではなく、運用負荷が増加します。

E. 各 S3 バケットで S3 バージョニングを有効にする

  • 説明: バージョニングは、データのバージョン管理を提供します。CRR の前提条件として必要です。
  • 有効性: 適切な解決策です。CRR を使用する場合に必須です。

F. イベント通知と Lambda を使用してオブジェクトをコピーする

  • 説明: S3 のイベント通知と Lambda 関数を使用して、1つのバケットからもう1つのバケットにオブジェクトをコピーします。これはカスタムの実装が必要で、運用負荷が高いです。
  • 有効性: 不適切です。運用負荷が高く、設計が複雑になります。

最適な組み合わせ (A, B, E)

  1. A (S3 マルチリージョンアクセスポイント) 運用を簡略化するために有効。
  1. B (双方向 CRR) バケット間の同期を自動化するために必要。
  1. E (S3 バージョニング) CRR の動作に必要な前提条件。

まとめ:
正解は A, B, E です。
これにより、2つのリージョンにまたがるS3バケット間で効率的かつ自動的に同期を維持でき、運用負荷を最小限に抑えることができます。
 
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