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理論
1. AWS移行プロセスの全体像
(1) 移行準備
AWS移行の最初のステップは、既存のインフラストラクチャを把握し、移行計画を立てることです。この段階では、以下の情報が必要になります:
- サーバーの基本情報:CPU、RAM、ディスク容量
- 実行中のプロセス、ネットワーク構成
- オペレーティングシステムとソフトウェア依存関係
(2) データ収集
AWSは、オンプレミスのサーバーデータを収集するためのツールを提供しています。主な選択肢は以下の通りです:
- AWS Application Discovery Service: エージェントベース(個別サーバーにインストール)またはエージェントレス(VMware環境向け)でデータを収集可能。詳細なサーバーメトリクスやプロセス情報を取得できます。
- AWS Migration Hub: サーバーデータの統合管理と移行進捗の可視化が可能です。
(3) データ分析と計画
収集したデータを分析し、以下の点を考慮して移行計画を作成します:
- ワークロードの依存関係
- 移行先AWSサービスの選択(EC2、ECS、RDSなど)
- 移行順序(重要なシステムを最初に移行するか、段階的に移行するか)
(4) 移行の実行
実際の移行は以下の方法で行います:
- リフト&シフト(Lift-and-Shift): サーバーをそのままAWS上に移行。短期間での移行が可能。
- リファクタリング(Refactoring): アプリケーションをクラウドネイティブなアーキテクチャに最適化。時間がかかるが、長期的な効率向上が期待されます。
2. AWS Application Discovery Serviceの役割
AWS Application Discovery Serviceは、移行前のサーバーデータ収集を自動化するための主要ツールです。
主な機能
- 詳細なサーバーデータの収集:
- CPU/RAM使用率
- 実行中のプロセス
- ネットワーク構成
- オペレーティングシステムとバージョン
- データのAWS Migration Hubへの統合: 収集したデータはMigration Hubに送信され、移行計画の管理に利用されます。
エージェントベース vs エージェントレス
- エージェントベース: サーバーにインストールして詳細なデータを収集(例: プロセス情報)。
- エージェントレス: VMware環境に対応し、仮想マシンのメタデータを収集。詳細データ収集には不向き。
3. 分析とクエリのツール
AWSで収集したデータを分析するには、以下のツールが役立ちます:
(1) Amazon S3
AWS Application Discovery Serviceが収集したデータはS3に保存されます。S3はデータの安全なストレージとスケーラブルなクエリの基盤を提供します。
(2) Amazon Athena
Athenaは、S3に保存されたデータに対してSQLクエリを実行するサーバーレスのクエリサービスです。主なメリットは以下の通り:
- 事前にスキーマを定義する必要がない: ログや収集データをそのまま分析可能。
- コスト効率が高い: クエリ実行に応じて課金されるため、初期コストを抑えられます。
(3) Amazon QuickSight
QuickSightはデータの可視化ツールであり、AthenaやS3と連携してレポートやダッシュボードを作成できます。移行後のシステムパフォーマンスの監視にも利用可能です。
4. 移行のベストプラクティス
- 依存関係の明確化: アプリケーション間の依存関係を把握し、移行中のダウンタイムを最小限に抑えます。
- 段階的移行: 一度に全てを移行するのではなく、小規模なシステムから段階的に進めることでリスクを軽減します。
- 移行後のテスト: AWS上でシステムの動作確認を行い、パフォーマンスや可用性を検証します。
5. まとめ
オンプレミスサーバーのAWS移行では、収集・分析ツールの選択と正確なデータ管理が成功の鍵です。
AWS Application Discovery Agent + Migration Hub + Amazon Athena の組み合わせは、移行前のデータ収集と分析の効率化に最適です。移行プロセスを段階的に進め、AWSのツール群を活用することで、安全かつ効果的な移行を実現できます。
実践
ハンズオン: AWS Application Discovery Service を使ったオンプレミスサーバー(Amazon Linux 2023)のデータ収集と分析
このハンズオンでは、オンプレミスのサーバー(Amazon Linux 2023)からAWSにデータを収集し、Amazon Athenaを使って分析するまでの手順を、初心者向けにわかりやすく解説します。
目次
- 準備と前提条件
- アーキテクチャ概要
- ハンズオン手順
- ステップ1: エージェントのインストールと設定
- ステップ2: AWS Migration Hub の設定
- ステップ3: データ収集と確認
- ステップ4: Amazon Athena でデータ分析
- まとめと今後のステップ
1. 準備と前提条件
前提条件
以下が必要です:
- オンプレミスサーバー:
- Amazon Linux 2023 を使用
- インターネット接続可能
- AWS アカウント:
- IAM 管理者権限を持つユーザー
- セットアップ済みの AWS サービス:
- AWS Migration Hub
- Amazon S3 バケット
- Amazon Athena
2. アーキテクチャ概要
以下の手順で進めます:
- オンプレミスサーバー(Amazon Linux 2023)に AWS Application Discovery Agent をインストール。
- データを収集し、AWS Cloud に転送。
- AWS Migration Hub と Amazon S3 にデータを保存。
- Amazon Athena でデータをクエリして分析。
3. ハンズオン手順
ステップ1: エージェントのインストールと設定
- AWS Application Discovery Agent のダウンロード
- AWSコンソールの Application Discovery Service にアクセス。
- 「エージェント」セクションからインストール用スクリプトのリンクを取得。
- エージェント用IAMユーザ作成
- 専用のIAMユーザを作成し、エージェントがデータをアップロードするための権限「AWSApplicationDiscoveryAgentAccess」を付与し、AccessKey/SecretKeyを発行する。このKeyをエージェントのインストール時に使用する。

- エージェントのインストール
- Amazon Linux 2023 のターミナルにログイン。
- 以下のコマンドを実行して、エージェントをダウンロードしてインストールします:
- エージェントを起動
- AWSアカウントをリンクするため、以下を実行:
- AWS Region(例:
us-west-2
)を入力し、エージェントを起動:
- エージェントのステータス確認
- 正常に動作していることを確認:
ステップ2: AWS Migration Hub の設定
- AWSコンソールで Migration Hub を開きます。
- Oregon (us-west-2) Region を選択します。
- 登録済みのエージェントを確認し、サーバーが検出されていることを確認します。

ステップ3: データ収集と確認
- 収集されるデータ
- CPU、メモリ、OS情報、稼働中のプロセスが含まれます。
- AWS Application Discovery Service がデータを自動で収集し、Amazon S3 に保存します。

ステップ4: Amazon Athena でデータ分析

- Athena テーブルの作成
- Athena コンソールに移動。
- 「クエリエディタ」で以下を実行して、S3に保存されたデータを参照するテーブルを作成します:
- データクエリの実行
- サーバーの CPU 使用率が高いものを確認するクエリ:
- クエリ結果を確認し、各サーバーのパフォーマンスデータを分析します。
4. まとめと今後のステップ
まとめ
- エージェントを使用してオンプレミスの Amazon Linux 2023 サーバーのデータを収集し、AWSに保存しました。
- Amazon Athena を使い、収集データをクエリで分析しました。
次のステップ
- Amazon QuickSight を使用してデータを可視化。
- 移行プランの設計やアプリケーションの依存関係を分析。
これでハンズオンは完了です!お疲れさまでした 😊

一問道場
質問 #46
トピック 1
ある企業が、1,000台のオンプレミスサーバーをAWSに移行する計画を立てています。このサーバー群は、企業のデータセンター内の複数のVMwareクラスター上で稼働しています。
移行計画の一環として、以下のサーバーメトリクスを収集し、それをクエリおよび分析したいと考えています:
- CPUの詳細
- RAMの使用状況
- オペレーティングシステム情報
- 実行中のプロセス
この要件を満たすソリューションはどれですか?
選択肢
A.
- オンプレミスホストに AWS Agentless Discovery Connector 仮想アプライアンス をデプロイして設定します。
- AWS Migration Hub で Data Exploration を構成します。
- AWS Glue を使用してデータに対する ETL ジョブを実行します。
- Amazon S3 Select を使用してデータをクエリします。
B.
- オンプレミスホストから VMのパフォーマンス情報のみをエクスポート します。
- 必要なデータを直接 AWS Migration Hub にインポートします。
- Migration Hub で不足している情報を更新します。
- Amazon QuickSight を使用してデータをクエリします。
C.
- オンプレミスホストからサーバー情報を自動収集する スクリプト を作成します。
- AWS CLI を使用して
put-resource-attributes
コマンドを実行し、詳細なサーバーデータを AWS Migration Hub に保存します。
- Migration Hub コンソールでデータを直接クエリします。
D.
- 各オンプレミスサーバーに AWS Application Discovery Agent をデプロイします。
- AWS Migration Hub で Data Exploration を構成します。
- Amazon S3 内のデータに対して Amazon Athena を使用して事前定義されたクエリを実行します。
解説
この質問では、1,000台のオンプレミスサーバーをAWSに移行する際に、サーバーメトリクスを収集し、データを分析する要件を満たす適切なソリューションを選ぶ必要があります。それぞれの選択肢を解説します。
A. AWS Agentless Discovery Connector + AWS Glue + Amazon S3 Select
解説:
- AWS Agentless Discovery Connector はVMware環境で動作し、エージェントレスで仮想マシンのメタデータを収集します。ただし、このソリューションはサーバーごとの詳細なメトリクス(CPU/RAM使用率やプロセス情報など)は収集できません。
- AWS Glue と S3 Select を使用した分析手法は有効ですが、そもそも必要なデータが収集できないため、この選択肢は不適切です。
結論: サーバーメトリクス収集の要件を満たさない。
B. VMのパフォーマンス情報のみをエクスポート + Migration Hub + Amazon QuickSight
解説:
- オンプレミスのVMパフォーマンス情報だけをエクスポートする方法では、必要な詳細メトリクス(CPU/RAM使用率、プロセス情報など)が不足します。
- Migration Hub は移行の進捗管理に適していますが、収集したデータを分析するための機能は限定的です。
- Amazon QuickSight はビジュアル分析ツールとして優れていますが、前提となるデータの収集が不十分なため、この選択肢も不適切です。
結論: サーバーメトリクス収集の要件を満たさない。
C. カスタムスクリプト + AWS CLI + Migration Hub
解説:
- スクリプトを使用してサーバー情報を収集し、AWS CLI を用いて Migration Hub にデータを保存する方法は、実装が可能です。ただし、この手法は以下の点で不十分です。
- Migration Hub は移行資産情報の追跡ツールであり、詳細なクエリ機能がありません。
- 手動でスクリプトを作成するには多大な労力がかかり、運用上の課題が多い。
結論: 効率的ではなく、要件を満たさない。
D. AWS Application Discovery Agent + Migration Hub + Amazon Athena
解説:
- AWS Application Discovery Agent は、オンプレミスサーバーごとにインストールし、詳細なメトリクス(CPU/RAM使用率、プロセス情報、OS情報など)を収集できます。
- Migration Hub を使用してデータを統合的に管理できます。
- データは Amazon S3 に保存され、Amazon Athena を用いることで柔軟にクエリを実行し、分析が可能です。
- このソリューションは、詳細なサーバーメトリクスの収集、クエリ、分析という要件をすべて満たします。
結論: この選択肢が最適。
正解: D. AWS Application Discovery Agent + Migration Hub + Amazon Athena
理由:
- AWS Application Discovery Agent により、必要なサーバーメトリクスを詳細に収集できる。
- Migration Hub で移行プロセスを一元管理できる。
- Amazon Athena により、データに対して高度なクエリを実行可能。
このソリューションは、要件を効率的かつ包括的に満たす唯一の選択肢です。
- 作者:みなみ
- 链接:https://tangly1024.com/資格勉強/168d7ae8-88e2-8039-961e-efb58cec19a9
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